インターネットと活版印刷術

インターネットと活版印刷術がよく似ている、という話をした。ところで、活版印刷術が社会にあたえた、本質的な影響は、なんだろうか?
活版印刷術とは、単に、本がいっぱい作れるようになった、ということとは、全くちがう。
世界史マニアの間では、「活版印刷術を先に発明したのは中国だ」という言われ方がされている。
技術的には、たしかに、そうなのだが、しかし、活版印刷術というのは、「誰が先に発明したか」が重要ではない。
先に発明というのであれば、5000年ほどまえの、ミノア文明において、原始的な活字が使用されていたようだ。
活版印刷術の本質は、個人からの情報発信が可能になったことだ。
だから、中国で先に活版印刷術が使用されたかどうかは、大きな問題ではない。中国で、個人からの情報発信がされていなければ、活版印刷術としては本質的な意味を達成していない。
現存する証拠からみるかぎり、中国での活版印刷術は、仏教教典の印刷に使用されるにとどまっていたようだ。
「仏教教典」の印刷という使用方法は、象徴的である。
つまり、公権力による使用、ということである。
中国では、技術革新は、おもに公権力がおこなっていた。個人が自分のために技術革新をおこなう、ということは、ほとんどなかった。
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